俳句の作り方


■俳句の経緯

江戸時代以前より行われた伝統的な文学的な形式の俳諧(はいかい)でおこなわれるのなかで、「連歌」の先頭に置かれる発句(ほっく)に注目して、これを取り出し、正岡子規以降に、これを端的に俳句と呼ぶようになったようです。

 

■俳句の概要

  • 定型詩:5, 7, 5拍。これは文字数ではなく、発音される音の数。
  • 季語:共通の季節のことばを用いる。制約というより表現を助けるもの。
  • 言い切ることば:ぞ、か、や、けり、かな、もがな
  • 係助詞(ぞ、なむ、や、か、こそ)に対し連体形、已然形で結ぶ

 

■俳句の種類

  • 当季雑詠:季語をいれた任意の句
  • 兼題:予め与えられたお題
  • 席題:当日のお題
  • 吟行句会(ぎんこうくかい)/嘱目吟(しょくもくぎん):句会当日どこかへ出かけ、その場で見た素材を詠み込む。これを嘱目吟と呼ぶ。

■俳句の手順

  1. 言いたいこと、感じたことを手短な散文で表現してみる(ネタ帳かな)
  2. 言葉を選ぶ
  3. 定型に収めていく

いわれてみれば、これは順当な手順だが、まずその「ネタだし」につまる場合もある。そんなときは、まず季語手帳をカンニングして、冬季のてごろな季語探しからはいってはどうか。

  1. そして、上の句(5音のところ)に季語になることばを置いてみる
  2. つぎに、中の句(7音のところ)に、その場の様子、作者の状況を置いてみる
  3. 最後の下の句(5音のところ)を使って、作歌の趣意の全体をまとめてみよう

例えば:きょう(2022年1月6日)は、ここ経堂地方には珍しい降雪。正月でもあるので、まずは、「初雪や」ではじめるのが順当ですよね。

そして、作者の居場所は烏山川緑道沿いにあるので、「烏山川」と中七におくのも順当ですね。とそのときちょうど近所のこどもらが緑道に積もる雪で遊びながら歩いて行くような声が聞こえて来るじゃないですか!なんだかめづらいい雪にこころ落ち着かない作者の気持ちも重なる「はしゃぐ声」を下の句に置きたくなりました。これらを並べると下記のとおりいちおうのかたちにはなるかと思います

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初雪や烏山川にはしゃぐ声

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■俳句に添える作者の記号として、俳号(偽名、ペンネーム … )はあるといいらしい。本名の呪縛から開放されて俳句づくりに専念できるかもしれない。烏山川緑道の沿岸に在住しているので、「あんきょのほとり」となのろうか。

 

■できることはできるが、つくりつづけるため、教えていただくため、また、人の句を楽しく鑑賞するため、やはり仲間はほしい。出会いの場、社交の場、句会について考えていこう。

 


■俳句の作り方に関するリンク集

▲俳句の作り方を紹介するサイトはたくさんあるなかで、ここは、スポンサーが「筆ぐるめ」と自明なサイトなので、他の好事家サイトのような無用情報の割り込み記事が無く、安心して見ていられる点がお勧めポイント。初心者向けの基本説明はどこも大差無い。制作の事例説明は毎月増補されていくようなので、全容を知るには時間がかかる。